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Howto
about Kickstarter

【基本編 1】キックスターターでできること

KS Navi編集部
KS Navi編集部
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  1. Kickstarterはクラウドファンディングサイトにして、クラウドファンディングサイトに非ず。
  2. 取材を続けて見えたもの。クリエイターの惜しみない熱意と努力。
  3. バッカーの心得。支援を通じてアイディア、モノづくりを楽しむ、モノづくりに参加する。
  4. ショッピングサイトと異なるのは、必ずしもすぐにリワードを受け取れるものではありません。届かない場合もあります。これが支援であり、リスクでもあります。
  5. ただ支援するだけ。これもKickstarter文化のひとつです。

Kickstarterはクラウドファンディングサイトにしてクラウドファンディングサイトに非ず

 Kickstarterがアメリカでローンチされたのは2009年4月28日のこと。それから8年と4ヶ月、20日経った2017年9月13日に、日本語版サービスが開始されました。これにより、英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、そして今回ローンチされた日本語の5ヶ国語から言語を選ぶことができるようになりました。

 Kickstarterは“世界最大のクラウドファンディングサイト”と呼ばれることが多いですが、同社自体は「クラウドファンディング行為はプロジェクトのなかのほんの一部」と、考えを明確に示しており、自らをクラウドファンディングサイトと呼ぶことはありません。あくまでも資金集めはプロジェクトのなかの1行程であり、“クラウドファンディングのみ”を目的とした製品には向いていません。

 この“クラウドファンディングを目的とした製品”とは、すでにある製品や出来上がっている製品に対して資金集めを行う、言わば“ショッピングサイト”のようなものです。もちろんこの方法は間違いではなく、製品づくりにとってとても効果的だと思います。そして数多くのクラウドファンディングサイトがこの方法を用いています。ですが、Kickstarterでは、クリエイター(アイディアの持ち主、作り手)とバッカー( 資金提供者)が双方で意見を出し合い、プロジェクトの成長・成功を目的としています。そのため、クリエイターはアイディアが明確に伝わるよう、プロジェクトページの準備が必要です。動画を用意したり、解説文を準備したり。さらにはKickstarterは全 世界とつながっているわけですから、日本語のほかに、英語での説明も必要でしょう。そしてプロジェクトを支援してくれるバッカーに対してどれだけ信頼を築けるか、そのためにもコメント機能は重要です。

 Kickstarterは自分のコミュニティを大事にすることを重要視します。最初からゼロで行うのではなく、まず自分のファンを固めてからスタートさせる。プロジェクトページを充実させ、アイディアがよりよく分かるようにする、アピールする、そしてコメントをしっかり返して信頼を得る。すべてはバッカーが「資金を提供したい」という気持ちになるよう、やるべきことがたくさんあります。ここが単なるクラウドファンディングサイトではない、その最たる所以です。自身のアイディアを意見を聞きながらカタチにする。Kickstarterを利用するクリエイターはぜひ知っておきましょう。

取材を続けて見えたもの。クリエイターの惜しみない熱意と努力

 日本語版のサービス開始前からKickstarterを利用しているクリエイター、バッカー、そしてKickstarterの関係者を取材し続けて見えたもの、それは「ひとつのプロジェクトを成功させるための準備が膨大だということ」でした。アイディアをカタチにする、そのためにはもちろん資金が必要です。そしてそのための手法として自らのアイディアを全世界に公開し、進捗情報を適時報告する。バッカーの信頼を得るためにクリエイターはさまざまな努力をしています。それはビッグプロジェクトになればなるほど長期間かかるものであり、プロジェクト発足前からすでに始まっています。

 数年かけて準備してプロジェクトを立ち上げる(アイディアの実現性を探る準備期間)、満を持してプロジェクトを公開する(プロジェクトページの作成期間)、新しい情報をこれからバッカーになる人、すでにバッカーになっている人に向けて発信する(プロジェクト運営期間)、ここまでですでに何年もかかっており、時間と資金を投資しているクリエイターもいました。その方は実際に成功し、ファンディングを得ています。

 実際に資金を得ることができたら、いよいよ製品化、発送です。アートなどの芸術分野であれば、自分のスキルを届ける行程になります。そこでもバッカーの信頼・期待に応えるべく、最大限の努力が必要です。そこまでしていよいよひとつのプロジェクトが終わります。そしてそのプロジェクトで得たバッカーは、次のプロジェクトにもつながります。これら一連の流れこそがKickstarterです。

 Kickstarterはプロジェクトが目標としていた金額に達成したときのみ、同社が5%の手数料を徴収します。そして別途、決済代行会社が4.5%の決済手数料を徴収します。成功しなかったプロジェクトには一切の手数料がかかりません。そしてやりとりは2017年9月13日より日本円で行えるようになりました。また、日本の身分証明書、銀行口座、法人での扱いも可能です。かつて日本語版サービスがローンチする前までは、アメリカなどすでにサービスが開始されている国の人がメンバーにいることが条件で、さらには現地の銀行口座が必要など、非常にハードルが高いものでした。日本からKickstarterを利用できるようになったすべての恩恵がここに集約されています。日本人のクリエイターにとっては待ちに待ったローンチでしょう。

バッカーの心得
支援を通じてアイディア、モノづくりを楽しむ、モノづくりに参加する

 Kickstarterを利用するのはクリエイターだけではありません。バッカーと呼ばれる出資者がいてこそなりたつ仕組みなので、バッカーとしてKickstarterを利用するのも楽しみ方のひとつです。世界中のアイディアがKickstarter上に公開されており、2009年の開始以来、これまで13万件以上のアイディアが1300万人以上ものバッカーによって支援されてきました。その金額は合計3500億円にものぼるもので、Kickstarter発祥の地、アメリカでは世界的にヒットした映画や音楽などでも利用されています(詳しい内容は90ページからのヤンシーCo-Founderの講演内容にて)。この数字だけ見ても、クリエイターに対しておよそ百倍ものバッカーがおり、世界中の人々がプロジェクトに注視していることがわかります。

 バッカーはコメントを残す機能を使用することができます。そしてプロジェクトが成功した後には支援金を支払い、リワード(お礼)を受け取ることができます。このリワードはとてもユニークなもので、プロジェクトごとに異なります。映画のエンドロールに掲載される、自分のために歌ってくれる、アート作品を届けてくれる。もちろん最新の、まだ世に出ていない製品を受け取ることもできます。ひとつのプロジェクトに対してリワードは複数用意されており、支援金によって内容が異なります。ですのでプロジェクトページで「どのリワードを受け取りたいか」選ぶことが可能です。

クリエイターとのコメントのやりとりも重要なコミュニケーションのひとつ。クリエイターとバッカーがアイディアを共有し、プロジェクトを育て上げていきます。

ショッピングサイトと異なるのは、必ずしもすぐにリワードを受け取れるものではありません。届かない場合もあります。
これが支援であり、リスクでもあります

 プロジェクトのファンディングゴール後、リワードはすぐに受け取れるものから時間がかかるものまで、実にさまざまです。ときには数ヶ月、1年、数年かかるものもあります。さらにはファンディングゴール後に予期せずしてリワードが届かない、受けられないこともあります。バッカーはこのリスクを事前に知って、Kickstarterを利用することが重要です。そのためにはプロジェクトをしっかりと見極め、コメントなどでプロジェクトオーナーと連絡を取り合い、自分が信じれるものに対してのみ、支援するようにしましょう。

 Kickstarterにはユーザー同士をつなげる機能があります。Facebookの友人がどのプロジェクトを支援したかが分かるのも、その機能のひとつです。バッカーのなかには何百というプロジェクトに支援した人もおり、その人たちは「スーパーバッカー」と呼ばれています。初めてKickstarterを利用するバッカーは、まず友人や気になる人、もしくはスーパーバッカーの支援を参考にするのもひとつの手です。

Kickstarterではおすすめのプロジェクトなど、自分の好みに合うプロジェクトを見つけるのが容易です。ネットサーフしながら気になるものを探してみては。

ただ支援するだけ。これもKickstarter文化のひとつです

 多くのプロジェクトがリワードの最小額設定に「お礼のメール」など、カタチとして残らないものを設定しています。これはバッカーが対価を求めるのではなく、応援や純粋な支援によって成り立つものです。また、リワードすら受け取らない「リワードなしでのプレッジ(支援)」で、金額を設定することもできます。2009年のKickstarterスタート時より、サービスを使用している“クラウドファンディングが根付いた国々”ではクリエイターを支援することに価値を見出している人も少なくはありません。プロジェクトに参加して楽しむのも、Kickstarterの楽しみ方です。(取材・文:早坂英之)

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