世界初・最大のクラウドファンディング「キックスターター」公式ナビ KICKSTARTER NAVI

KICKSTARTER NAVI

Interview

オインクゲームズ代表・佐々木隼氏に訊く、ゲームデザインのこだわりと Kickstarter プロジェクトローンチの経緯

Miki
Miki

プロフィール ▼

    • facebook
    • twitter
    • line

日本を代表するゲームブランドのひとつ、オインクゲームズ。おしゃれなデザインの小さな箱に、シンプルかつ奥深いルールが詰め込まれたボードゲームの数々は、いまや世界的にも高い評価を得ています。

今年2月には、 初の Kickstarter プロジェクト『月面探険・藪の中・ドコジャン』 をローンチし、世界中のボードゲーマーに衝撃を与えました。初日からあっという間にファンディングゴールを達成し、現在も進行中のキャンペーンに集まっているバッカーの数は1,200人以上(2021年2月17日現在)。国境を超えたコミュニティが広がっています。

そんなオインクゲームズの代表でありデザイナーの佐々木隼さんに、ゲームの制作過程やインスピレーション、そして 『月面探険・藪の中・ドコジャン』 についてお話を伺いました。

——佐々木さんが持つゲーム制作に対する理念について教えてください。制作する上で、どのようなこだわりがありますか? また、佐々木さんが考える「いいゲーム」とは、なにをもたらすものでしょうか?

多少欠点があっても、そのゲームにしかない鋭さを持ったゲームをつくりたいです。「いいゲーム」は知的な興奮を味わわせてくれるものだと思います。

——オインクゲームズ作品のパッケージデザインはいつも斬新で楽しく、Kickstarter スタッフの中にもファンが多いです。こういった作品ごとのビジュアルや雰囲気の着想はどうやって得られているのでしょうか?

これまで目にしてきた様々なもの、例えば古いレコードのジャケットや、幼少期に見た本の表紙、町で見かけた看板などの記憶から着想を得ることが多い気がします。そういう記憶と、そのゲームの持つ雰囲気が頭の中でリンクして、イメージが膨らんでいきます。

『ドコジャン』

——『藪の中』旧版といえばオインクゲームズ最初期の代表作ですが、当時と比べてゲームデザインに対する姿勢や手法に変化はありましたか? また、アップデートされた『藪の中 新版』のイチオシポイントを教えてください。

僕がゲームデザインするときは、だいたいまず軸となるメカニクスのイメージがあり、それをテストプレイを繰り返しながら育てていくフェーズがあります。例えて言うなら、こういう家を建てたい!というアイデアを持った「建築家」と、それを実現する「大工さん」の2人の仕事がある感じです。建築家の部分は以前からあまり変化がありませんが、大工さんの腕はこの10年で得た知識や経験によって少しは向上したのではないかと思っています。

『藪の中 新版』は、当時の自分では克服できなかったルールの欠点に手を入れて、ゲームの収束性を向上させ、よりブラフを仕掛けたくなるように調整しました。コンポーネントもやりたかったことを実現し、ぐっと豪華になっています。

『藪の中 新版』コンポーネント

——今回、Kickstarter プロジェクトをローンチされたきっかけについて教えてください。

以前から、ゲーム開発の初期投資を軽減する方法としてだけでなく、メーカーとファンをつなぐ仕組みとしてもクラウドファンディングに興味を持っていました。なかなか余裕がなくプロジェクトを準備することができていませんでしたが、今回3つのゲームを同時に発売することになり、普段よりもたくさんの制作費がかかることから、思い切ってプロジェクトをローンチしてみることにしました。

——オインクゲームズの作品の人気は国内に留まらず、海外にも熱狂的なファンがたくさんいます。海外ファンが増えたきっかけというのはありますか?

「海底探険」や「エセ芸術家ニューヨークへ行く」が海外で高い評価を得て、そこからファンが増えたと思っています。それ以前は小さいパッケージなのに高すぎるといつも言われていました。今では小さいパッケージだからいいと言ってくれる人がたくさんいて嬉しいです。そういう価値観も受け入れられてきていると思います。

——いま、全世界のプレイヤー数はどのくらいだと思いますか?

海底探険が20万部売れているので、それぞれが3人ぐらいで遊ばれたと思えば60万人はプレイしてくれているのではないでしょうか。ぼくらのゲームをどれかひとつでもプレイしたことがあるという人は100万人ぐらいいるかもしれませんね。

『月面探検』

——コロナ禍によりたくさんのゲームイベントが中止になっている中、オインクゲームズにはどのような影響がありましたか? また、この危機的状況を乗り越えるためどのような取り組みをされていますか?

ゲームイベントが中止になることで、新作を周知することが以前より難しくなっていると感じています。Kickstarterはそのような新作にスポットライトを当てるためにもよい仕組みだと思いますし、今回プロジェクトをローンチしたことがまさにその取り組みのひとつです。

——これからボードゲームを制作したいと思っている日本のデザイナーの卵にアドバイスはありますか?

ボードゲームを制作するのは本当に楽しいことです。最初の作品を完成させるのは難しく感じるかもしれませんが、まずはゲームマーケットに申し込んでしまうことをおすすめします。締め切りがゲームを完成させてくれます。

——最後に、佐々木さんが思い描く日本のボードゲーム界の理想の未来について教えてください。

学校や職場や議会などありとあらゆるところにゲームデザイナーがいて、すべてのルールが楽しく設計されるようになったらいいなと思います。

インタビュー・文/Miki

【あわせて読みたい】

オインクゲームズが
キックスターターに初登場!
新作が3つも!!! by Mandy

Moon Adventure, In a Grove and Dokojong
月面探険・藪の中・ドコジャン

3 Games on Kickstarter by Oink Games | オインクゲームズの新作3つ
https://www.kickstarter.com/projects/oinkgames/new-oink-games-projects-2021

もっとくわしく知る
この記事に対するご意見・ご要望、訂正、お問い合わせなどはこちらから >
「Miki」 の記事一覧を見る >
「ボードゲーム」 関連記事一覧を見る >

RecommendedArticles_ おすすめ記事