プロジェクトのポイント
- 制作期間10年!『宝石の煌めき』『バロニィ』のゲームデザイナー、マーク・アンドレによる入魂の一作。“ナラティブ”ד協力ゲーム”というトレンド最前線のボードゲーム
- プレイ時間120-240分、カード枚数800超、ゲームボード130枚超、豪華なフィギュア満載で、総重量は5kgオーバーと超重量級
- 製造費が高すぎるため、一般流通はしないと明言されている。キックスターター限定になりそうなプロジェクトなので要注目

プレッジ(支援)総額 ※7月23日現在(残り14日)
¥27,027,549 (目標額¥6,489,173)
超大作である! ボードゲーム界では、今年度最大のビッグプロジェクトであるかもしれない。
『Soul Raiders(ソウル レイダース)』はファンタジー世界を舞台にして、用意されたシナリオに沿って自分のキャラクターをボード上で動かす冒険ゲームである。プレイヤー同士で協力しながら敵を倒し、財宝を見つけ、目的を達成していく。シナリオは用意されているが、プレイヤーの選択によって変化し、ある程度ランダムに発生するため、毎回違った展開を楽しむことができる。
ストーリーにプレイヤーの選択が組み合わされた、このようなゲームのジャンルは“ナラティブ”と呼ばれ、近年流行している。また、“協力ゲーム”もここ数年のトレンドであり、本作は時代の波に乗っている。
先行例に昨年日本語版が発売された『グルームヘイヴン』というゲームがある。『グルームヘイヴン』は、BoardGameGeekという世界最大のボードゲームサイトで1位に君臨しているモンスターゲームであり、重量9kg超、3万円という価格でも話題になった。
『Soul Raiders』は、『グルームヘイヴン』に比べるとややサイズダウンするものの、それでもコンポーネントは豪華だ。カード800枚超、ゲームボード130枚超、美しいフィギュア、その他盛り沢山のコンポーネントで、総重量5kgを超えるという……まさに超重量級だ。
見所はコンポーネントだけではない。ルールやプレイ動画を見る限り、ゲームシステムにも十分なオリジナリティと工夫があり、かなり期待がもてる。作者であるマーク・アンドレは、『宝石の煌めき』や『バロニィ』といったヒット作をもつゲームデザイナーであり、シンプルで洗練されたメカニクスを好む。
個人的には、マーク・アンドレというゲームデザイナーと、ナラティブというジャンルの相性が良いのではないかと考えている。ストーリーやテーマ設定を重視すると、細かなルールや煩雑な処理が多くなってしまう。その結果、実際のゲームプレイは冗長になりやすい。しかし、マーク・アンドレはこの問題を鮮やかに解決してくれているのではないかと期待してしまう。物語性をゲームシステムに翻訳する、つまり多種多量の情報を整理して要約し、シンプルに組み替えるということを、彼は得意としていると思われるからだ。
ゲームシステム、アートワーク、コンポーネント、プロジェクトの進め方、どれも隙がない。さらに、『Soul Raiders』は、マーク・アンドレが30年以上も温めていたアイデアを具現化したものであるらしい。実際のゲームシステムの制作に6年、アートワークやコンポーネントの制作に4年かかっている。長い年月をかけて入念に準備された、作者入魂の一作なのだ。
(山田セレクト)
のプレッジ(支援)額
Grimoire Edition
Soul Raiders グリモワールエディション

Soul Raiders
ソウル レイダース
1~4人で遊べる、探検・冒険ジャンルの新しい試み
クリエイター:One for All (パリ, フランス)
https://www.kickstarter.com/projects/one4all/soul-raiders