プロジェクトのポイント
- 前作『Spire’s End』も大人気のプロジェクトであったが、本プロジェクトも200,000ドルを超えて、絶好調。根強いファン多数
- 400枚のカードに4つのシナリオが用意されている。主人公、仲間、装備、敵、冒険する場所、といったワクワクする物語の全てが、カードの中に詰め込まれている
- カードイラストは美しく、それでいてどこか懐かしい。密かにリバイバルの機運が高まっているゲームブックのジャンルに要注目!

プレッジ(支援)総額 ※8月5日現在(残り7日)
¥25,609,540 (目標額¥1,645,110)
どこか懐かしさも感じる、しかしそれでいて新しい試みもあるカードゲームのプロジェクトだ。
本作「Spire’s End: Hildegard(スパイヤーズエンド: ヒルドガード)」はGreg Favroによる冒険カードゲームシリーズの2作目にあたる。前作『Spire’s End』(2019) の評価も非常に高く、ファンにとっては待望の続編なのである。イラストの雰囲気も良く、独自の世界観が確立されている。
カードのテキストに沿って物語が進んでいくという、RPG的な要素をもつ、ソロおよび協力型のカードゲームである。1つのシナリオが、カード100枚で構成されており、本作では4つのシナリオが用意されている。なんと、合計400枚ものカードである! その中に、主人公や出会う敵や仲間、立ち寄る場所や装備品など、全ての物語が詰め込まれているわけだ。
ゲームのルールは、1980年代に流行ったゲームブックに近い。プレイヤーの選択によって、物語の展開と結末が変わっていく。敵と遭遇して戦闘するイベントでは、ダイスを振って戦う。その結果によって、また進むべき道が変わるのだ。本と紙とペンが、カードとマーカーに置き換えられているのが本作の大きな特徴であり、工夫だ。本だと1度に1つのページしか開けておけないが、カードだと複数枚を並べることができるので、プレイの幅が大いに広がる。ゲームブックの進化版といえるかもしれない。
ゲームブックは密かにリバイバルの機運が高まっているように思う。往年のゲームブックの名作を復刻した『ファイティング・ファンタジー・コレクション』の日本語版が今夏発売された。一人で遊べるので、コロナ禍でも関係ないのが強みだ。
全てのカードテキストは英語なので、言語依存があることが唯一のハードルであるが、往年のゲームブックファンにはたまらないゲームではなかろうか。手に届くのが待ち遠しい一作である。
(山田セレクト)

Spire’s End: Hildegard
スパイヤーズエンド: ヒルドガード
ソロ&協力型カードゲームアドベンチャー
クリエイター:Greg Favro (ハーモサ・ビーチ, カリフォルニア, アメリカ)
https://www.kickstarter.com/projects/favro/spires-end-hildegard